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第64回NHK杯準決勝第2局-井山裕太九段vs伊田篤史八段
3月12日に第64回NHK杯の準決勝第2局が放送されました。
黒番は井山裕太九段(27歳)。
引用:http://www.nihonkiin.or.jp/player/htm/ki000385.htm
大阪府出身。石井邦生九段門下。
日本棋院関西総本部所属。
1回戦はシード、2回戦では小林覚九段に、3回戦では余正麒七段に、準準決勝では河野臨九段に勝利しています。
→第64回NHK杯2回戦第12局-井山裕太九段vs小林覚九段
→第64回NHK杯3回戦第4局-井山裕太九段vs余正麒七段
→第64回NHK杯準準決勝第1局-井山裕太九段vs河野臨九段
白番は伊田篤史八段(22歳)。
引用:https://www.nihonkiin.or.jp/player/htm/ki000427.htm
三重県出身。日本棋院中部総本部所属。
1回戦はシード、2回戦では河英一六段に、3回戦では本木克弥七段に、準準決勝では寺山怜四段に勝利しています。
→第64回NHK杯2回戦第15局-伊田篤史八段vs河英一六段
→第64回NHK杯3回戦第3局-伊田篤史八段vs本木克弥七段
→第64回NHK杯準準決勝第2局-伊田篤史八段vs寺山怜四段
対局の内容
■黒:井山裕太 ■白:伊田篤史
■結果:黒中押し勝ち
序盤、白8のカカリに黒9の低いハサミはあまり見かけない手です。
さらに白14に対して黒15と下からアテました。
左上向きのシチョウは黒が良いので、部分的には上から切ったほうが良い形です。
しかしこの碁では左下隅が小目なので、先手を取って黒19にまわるほうが得だと判断したようです。
左下の定石で黒27に出るのは最近話題の形。
人間界では俗筋だとされていましたが、AlphaGo(Master)が打ったことで有力なのかもと研究されています。
白34まで一段落。
黒33のハネに押さえないのは、隅に味を残すためです。
隅は味が悪いですが黒は上辺に先着しました。
白36は工夫の一手です。
下辺を大きくするといよりも、右辺への牽制と中央の拡大を狙いとしています。
さらに黒39、白40と中央のラインを争う空中戦です。
白42は隅の受け方を聞いてから次の手の方向を決める常套手段の様子見。
黒が右辺を大事にしたので、白44から出ていきました。
黒は右辺は最低限に受け、黒51まで中央の線を守ります。
白は52・54で様子を見ましたが、黒55が好手で隅が味良く取れています。
白は54の1手を悪手にしないために白56から頑張ります。
左上はコウですが、黒61と白62の交換があるのでコウに勝っても負けても黒が利かしています。
白72までコウは白が勝ちました。
しかし形勢は黒が優勢です。
黒73に受けてはいられないと白74に打ちました。
黒75から白のツライ戦いです。
黒87に白88が損ながら良い手で、白93のカケツギで綺麗につながりました。
ちなみに黒87のハネでは、91のところにノビているほうが良かったようです。
ここから右上隅をコウにして白の追い上げが始まりました。
黒がコウを解消して白154まで一段落です。
右上隅は元から黒地だったので、それほど黒地が増えてはいません。
白が大いに成果をあげました。
解説の高尾九段は白が良さそうと言っていましたが、ここから井山九段の勝負強さが発揮されます。
黒は左上でコウ含みに寄り付いていきます。
黒217に白はコウ材を減らすために泣く泣く白218に受けました。
この手は部分的に白が2目損をしています。
そして黒225までフリカワリになりました。
下辺で2目得したり黒227が先手なこともあり、形勢はハッキリと黒良しです。
その後、少しヨセを打ちましたが275手で伊田篤史八段が投了しました。
勝利した井山裕太九段は、次の対局で一力遼七段とあたります。
次の放送は3月19日、井山裕太九段と一力遼七段の対局です。
※※※トーナメント表※※※
Aブロック
Bブロック
参考:NHK杯公式サイト(http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/gotou/)
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