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第2回電王戦第1局解説(序盤編)
囲碁担当B『第2回電王戦3番勝負第1局は大熱戦になりました。
情報屋Aさん、アンチコンピュータ囲碁協会会長(以下会長と表記)さん、解説お願いします』
序盤ではZENの強さが目立った
情報屋A『序盤はZENの独創的な発想が目立った。
まずはこの場面から見てもらおう。
黒1とカカられた瞬間に白2のカタツキは人間にはなかなか思い浮かばない。
先に損しちゃうからね』
会長『続きを見ると先に損するという意味がわかる。
黒1から5と脱出されると右下の白石が傷んでしまう。
このように先に損してしまうのはリスクが大きいので人間としては打ちにくい。
実戦のように黒9と封鎖され、先に損しても白10と攻めれば十分取り返せるという判断は素晴らしい』
囲碁担当B『趙治勲名誉名人も絶賛していましたね。
囲碁AIは中盤の読みや終盤の正確さが強みとされていましたが、
序盤も強いんですね』
会長『第1局ではむしろ序盤のうまさが目立った。
滑り出しでZENが主導権を握ってポイントを稼いだ』
趙治勲名誉名人は百戦錬磨の
切り替えしで長期戦に持ち込む
情報屋A『焦点は上辺に移っても白が主導権を握り続けた
この白1が力強くて対応が難しい。
アタリだから黒1と逃げるのが第一感だけど、これは白2とツガれて全面戦争になる。
黒が戦えなくないけど、主導権を握られたまま押し切られる可能性が高い。
困った場面での趙治勲名誉名人の切り替えしが見事だった』
囲碁担当B『ここまで趙治勲名誉名人は意図的に早く着手して時間を温存していました。
普段は長考派の趙治勲名誉名人ですが、大一番でどうしても勝ちたい場合は早打ちすることがあります。
この一局にかける意気込みが感じられますね。
ここが岐路だと判断した趙治勲名誉名人は温存していた時間をつぎ込みます』
会長『長考の末、実戦は白1のアテに
黒2と切ったのが百戦錬磨の趙治勲名誉名人らしい一手。
黒14までと白四子を取って根拠を確保し、長期戦に持ち込んだのはさすがだ。
白がやや有利ながらもほぼ互角で中盤に突入した。
趙治勲名誉名人は全く意図していないけど、ここで白四子を取ったことがZENの弱点を引き出すことになった。
続きは中盤で。
この記事を書いた人
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このサイトの囲碁担当。
読みの速さと筋の良さは名人クラス。
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