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第2回電王戦ZENVS趙治勲名誉名人第1局解説(終盤編)
囲碁担当 『第2回電王戦第1局解説(序盤編)で解説した通り、布石の攻防はほぼ互角でした。
アンチコンピュータ囲碁協会会長(以下会長と表記)
『第2回電王戦ZENVS趙治勲名誉名人第1局解説(中盤編)
ここで書いた通り、ZENは攻め合いに負けているところの実利を過小評価してしまうという弱点があります。
上辺は比較的重要ではないので、それほど大きなミスではありません。
しかし右下の攻め合いは黒の大石の根拠でもあるので問題が大きい。
ZENに痛恨のミスが出てしまいます』
情報屋『174手目では
白1のコスミを決めるべきでした。
黒2と手抜きすると白3から黒8までとコウになってしまうので黒は手を入れるぐらい。
このように攻め取りで黒地を小さくすれば白にもチャンスがあったと思います。
しかし右下に手入れされるとZENは「攻め合いに負ける確率が高くなり、右下の黒地が増えてしまう」と判断してしまうみたいです。
攻め合いに負ける確率が低いことは理解しているらしいのですが、白1などを決めると攻め合いで逆転する確率がさらに低くなってしまうと勘違いしている。
これが敗因になってしまいました』
情報屋『182を打った直後、
ZENは勝率67%と自分が大優勢だと思っていました
ところが185手目の時点では59%とちょっと落ちてしまいます。
黒が右下をトンだことにより、右下の攻め合いで負ける確率が高くなったのでしょう。
そして192手目を打った時点では
勝率51%とほぼ互角だと判断しています。
実際には黒が明らかに優勢で白が勝てない形勢です。
それなのにほぼ互角とは計算がかなり不安定。
ZENは終盤に弱いのではないかという疑惑が出るほどでした』
会長『評価値がこのように急降下することはほぼありません。
攻め合いが絡んだ場合にだけ起こる現象と言っていいでしょう。
劣勢を意識したZENは味消しのような手を打ちまくります。
これは典型的な水平線効果。
囲碁AIによくある現象です。
そして皆さんも知っている通り、223手完、趙治勲名誉名人が中押し勝ちで初戦を制しました。
ZENの序盤での強さ、中終盤でのもろさが出た一局です
ニコニコ生放送でZENの評価値を出してくれたことにより、AIの弱点を探ることができました。
アンチコンピュータ囲碁協会としても収穫が多い一戦になりました』
この記事を書いた人
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このサイトの囲碁担当。
読みの速さと筋の良さは名人クラス。
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