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伊田篤史という男はビッグマウス?それとも有言実行の本物なのか?
十段戦5番勝負が3月8日(この記事アップの時点では明日)から開幕する。
「井山裕太六冠の情報は豊富。でも相手の伊田篤史十段って誰?」ってファンは多いと思う。
ここでは伊田十段の人柄などを語っていきたい。
お父さんが囲碁ファンだった伊田は幼少から囲碁で遊んでいた。
ヒカルの碁をきっかけにさらに囲碁へのめりこみ、プロを目指す。
プロデビュー直後に11連勝して大器の片鱗を見せた。
伊田の名前が日本中に届いたのは2014年、本因坊戦だった。
予選Bから参加した伊田は6連勝で一気に本因坊リーグ入り。
初めて経験した本因坊リーグで伊田は初戦から3勝1敗と大暴れする。
伊田のお父さんは予想以上に善戦していた息子に対し、「何とか残留できそうだな」とねぎらいの声をかけた。
その瞬間、空気は一変。
「残留ではなく、挑戦者を目指して戦っているんだ」と伊田は珍しく父に対して反論した。
父は「無神経なことを言ってしまった」と反省し、伊田本人は「さすがに言い過ぎた」と後悔していることからもわかる通り、普段の親子仲は良好である。
本因坊に挑戦して獲得するために必死で努力しているのに、最も味方であるはずの父が目標を残留へ勝手に下方修正したため、カチンときたそうだ。
このように高い目標を掲げて行動はもちろん、言葉でも高い意識を保っていくのが伊田流なのである。
当時は他棋戦での実績が乏しかったため、「ビッグマウスだ」という声が大半だった。
評判を跳ね返し、伊田は6勝1敗で山下敬吾九段と並ぶ。
プレーオフでも山下を破り、本因坊への挑戦権を獲得する。
「ビッグマウス」が「有言実行」になったことにより、伊田の評判は急上昇。
井山裕太本因坊との七番勝負は4勝1敗と敗れたが将来の大棋士として注目を集めるようになった。
伊田が再び表舞台に立ったのは2015年である。
20歳11か月という年少記録でNHK杯優勝した伊田は高尾紳路十段(当時)に挑戦する。
フルセットの末に3勝2敗で十段位を獲得。
入段時、伊田が描いていた青写真には「20歳までに七大タイトルを獲得」と記されていた。
伊田本人は「囲碁界は甘い世界ではないと気づかれました。目標からは1年遅れてしまいましたが、21歳で獲得できてよかったです」と笑顔で語る。
一見、ビッグマウスにも見える「20歳までに七大タイトルを獲得」という目標を1年遅れで「有言実行」したのだ。
伊田には「七大タイトルを取るまでは飲酒禁止」という掟があった。
タイトルを取ったことにより、酒を解禁する。
「以前よりも勉強量が落ちました」と本人が認める通り、ハングリーさを少し失ってしまった。
タイトルを取ると全対局が棋譜として残るため、対策が進んでくる。
以前のような爆発的な勢いは影を潜め、今期の本因坊リーグでは1勝5敗と苦戦している。
伊田十段は中部総本部で行われた打ち初め式で「みなさんは井山さんの七冠を見たいと思っているでしょうけど、一人の棋士にすべてのタイトルを持たせるわけにはいかないです。最後の砦として絶対に阻止する気持ちで臨みます」と力強く語ったそうだ。
この言葉が「ビッグマウス」ではなく「有言実行」になるように今回の五番勝負では以前の勢いのある攻めを見せてほしい。
この記事を書いた人
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囲碁界に詳しい謎の情報屋。
囲碁界の情報屋Aが書く記事は怪しさ満点なので東スポのような感じで読んだ方がいい。
「1を10のように言うことはあっても、0を1のようには言わない」が口癖。
ルールを知らない人にも囲碁を楽しんでもらえるようにあえて過激な記事を書いているという噂も…
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