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第65回NHK杯1回戦第10局-坂井秀至八段vs志田達哉七段
6月4日に第65回NHK杯1回戦第10局が放送されました。
黒番は坂井秀至八段(44歳)。
引用:http://kansaikiin.jp/kisi_prof/sakaihideyuki.html
兵庫県出身。藤沢秀行門下。
関西棋院所属。
秀行門下ですが棋風は地にカラめの堅実タイプ。
灘高校から京都大学医学部に進学し、医師国家資格に合格までした後に特別採用で棋士になった異色の経歴。
アマチュア時代の活躍によりプロ編入試験が行われた初事例。
関西棋院で研修棋士制度が行われるようになったキッカケの人と言えるでしょう。
もちろん話題性だけでなく、碁聖のタイトル獲得や名人戦本因坊戦のリーグ入りなど関西棋院の勝ち頭の一人です。
白番は志田達哉七段(26歳)。
引用:https://www.nihonkiin.or.jp/player/htm/ki000410.htm
福井県出身。
日本棋院中部総本部所属。
2006年入段、日本棋院で初の1990年代生まれの棋士となりました。
棋風は地にカラめで積極的に戦う現代的な打ち方。
おかげ杯、中野杯、アルミ杯などで優勝や準優勝。
河野臨九段を倒したこともあり、将来を期待されている若手棋士の一人です。
対局の内容
■黒:坂井秀至 ■白:志田達哉
■結果:白半目勝ち
黒の二連星は最近ではあまり見かけない布石。
白2の向きも珍しい打ち方。
白6の四間バサミは急戦を避けた穏やかな手です。
黒13を利かして15に構えるのは常套手段。
白16とカケたときに白6が遠いので、取り切るのは大変でしょというのが黒の主張です。
続いて黒は右下に先着。
白は上辺側からカカるのは不満とみて白20と工夫していきました。白30まで見かけない形になりました。
黒は再度先手を取り、右下のコスミにまわります。
右辺が黒模様、上辺が白模様という展開です。
白は32のカタツキを利かしてから、白34・36と上辺を盛り上げました。
黒37は模様の天王山で大切な所。
続いて白38から模様に突入です。
白46まで形を整えたところで、黒は攻めを保留して上辺をイジリにいきました。
黒73まで、黒は上辺を先手で生きました。
さらに黒77のノビを打ち、中央の白への攻めを残します。
白は中央に一手備える形もないので、左辺に打ち込んでいきました。
左辺はコウになり、白114までフリカワリです。
黒は最後の大場の下辺にまわり、戦い含みですが残すはヨセのみとなりました。
その後は一進一退の難しいヨセが続き、黒257の半コウツギで終局。
対局姿はお坊さんとヤンキーが碁を打っているようでしたが、結果は微細で白の半目勝ちとなりました。
勝利した志田達哉七段は、次の対局で依田紀基九段とあたります。
次の放送は6月11日、清成哲也九段と許家元四段の対局です。
※※※トーナメント表※※※
Aブロック
Bブロック
参考:NHK杯公式サイト(http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/gotou/)
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