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第64回NHK杯準決勝第1局-一力遼七段vs張栩九段
3月5日に第64回NHK杯の準決勝第1局が放送されました。
黒番は張栩九段(37歳)。
引用:https://www.nihonkiin.or.jp/player/htm/ki000331.htm
台湾出身。林海峰九段門下。
日本棋院東京本院所属。
前期のNHK杯の優勝者です。
1回戦はシード、2回戦では謝依旻六段に、3回戦では山城宏九段に、準準決勝では結城聡九段に勝利しています。
→第64回NHK杯2回戦第13局-張栩九段vs謝依旻六段
→第64回NHK杯3回戦第1局-張栩九段vs山城宏九段
→第64回NHK杯準準決勝第4局-張栩九段vs結城聡九段
白番は一力遼七段(19歳)。
引用:http://www.nihonkiin.or.jp/player/htm/ki000435.htm
宮城県出身。日本棋院東京本院所属。
2016年より早稲田大学に在籍中。
1回戦はシード、2回戦では藤井秀哉七段に、3回戦では高尾紳路九段に、準準決勝では山下敬吾九段に勝利しています。
→第64回NHK杯2回戦第1局-藤井秀哉七段vs一力遼七段
→第64回NHK杯3回戦第6局-高尾紳路九段vs一力遼七段
→第64回NHK杯準準決勝第3局-山下敬吾九段vs一力遼七段
対局の内容
■黒:張栩 ■白:一力遼
■結果:白8目半勝ち
序盤から張栩九段らしい足早な工夫を見せました。
右下隅は王銘エン九段が好んで打っていたシマリです。
左上は一時期流行した形で、隅も上辺も両方という足早な打ち方です。
白32のカカリに黒33のハサミで、三々に入れば右辺から右下を模様にするよという手。
白は34・36と上からいきました。
黒は左下のシチョウ良しを確保してから出切り、最強手で戦いにいきます。
黒61・63から戦いはさらに激しくなり勝負所です。
張栩九段に誤算があったのか、白96まで右辺の攻め合いは白勝ち。
(張栩九段は頭を抱えながら黒91を打ちました。)
形勢は白に傾きました。
黒は気を取り直して下辺にまわります。
右下は黒が取られてしまいましたが、捨て石にして外を厚くしました。
黒は最後の狙いとして中央の白を攻めていきます。
取れなくても攻め取りになれば黒は大きな戦果です。
張栩九段の猛攻により、あわやという瞬間もありましたが白154まで一段落。
その後、黒は下辺を目一杯にまとめましたが形勢逆転には至らず、最後は8目半の大差で一力七段の勝利となりました。
この碁では一力遼七段が完勝でしたが、終局時の「ふぅ~」という表情をみると『張栩九段』のプレッシャーの強さが見て取れます。
勝利した一力遼七段は、次の対局で井山裕太九段vs伊田篤史八段の勝者とあたります。
次の放送は3月12日、井山裕太九段と伊田篤史八段の対局です。
※※※トーナメント表※※※
Aブロック
Bブロック
参考:NHK杯公式サイト(http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/gotou/)
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