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AlphaGoの水平線効果は第2局でも起こってた?
囲碁担当B「どうしたんですか?アンチコンピュータ囲碁協会会長さん。
明日は李セドルVSAlphaGoの第5局の前に確定申告を出さなきゃいけないんで早起きしなきゃいけないんですよ。
早く寝かせてください」
アンチコンピュータ囲碁協会会長
「これは第5局が始まる前に言っておきたいんだ。
第4局でAlphaGoの打ち筋がおかしくなったろ?
水平線効果で」
囲碁担当B「そうですね。
形勢が悪くなると悪手を連発しまくるんですね。
普段はあんなに強いのに信じられないです」
会長「あの打ち筋をどこかで見たなと思っていたんだよ。
今日、風呂に入ったらひらめいた。
思わず『ユーリカ!』って叫びたくなったね」
囲碁担当B「そんなアルキメデスみたいなエピソードいらないです。
早く本題に入ってください」
会長 まずはこれを見てくれ。
↑1図
この手は
↑2図
と
↑3図
と似てる。
もっと過激に言うと
↑4図
これに似ている。
囲碁担当B「全然違うじゃないですか?
ただ一本出ただけでしょ?
こんな悪手と一緒にされたら1図の黒1がかわいそうです」
会長「確かに人間の眼にはそう見える。
1図の黒1からはAlphaGoの『中央には好手はない。なるべく打ちたくないな。後回しにしたいな』という心の叫びが聞こえる。
AlphaGoの評価関数が五番勝負の後に公開されるかもしれない。
その時、1図で黒1と白2を交換した後は評価関数がちょっと落ちていると思うんだ。
2図と3図の交換もそれほど損ではないけど、評価関数はゆるやかに落ちていると思う。
やらなきゃいけない宿題が迫ってくる感じで」
囲碁担当B「そうなんですかね?
考えすぎだと思いますけど…」
会長「今度はこれを見てくれ」
↑5図
の黒1と
↑6図
の黒1は
↑7図
この手とか
↑8図
この手に似ている。
囲碁担当B「これも全然違いますよ。
5図や6図は厳しい攻めで、7図や8図は味消しじゃないですか?」
会長「人間は善悪で判断する。
でもAlphaGoは違う。
6図では確信は持てないけど、5図の黒1からは『形勢が悪いです。どこか取らないと勝てません』
っていう心の叫びがはっきり聞こえるんだ。
7図と8図の黒1からも同じ声が聞こえる」
そしてなんとこの両方の要素を含んでいるのが
このノゾキと
この黒1、3だ
囲碁担当B「何となくそんな気がしてきました」
会長「もし
↑9図
白2とツイで白が勝ったら黒1は味消しと評価されたと思うんだ。
5図で黒1と打った状態と黒7と打った状態の評価値を比べると黒7と取った後の方がはっきり高いと思う。
6図でも同じことが言える」
じゃあなぜ李セドル九段は9図のように受けなかったんですか?
第1局に負けた李セドル九段はAlphaGoを信用してしまった。
『こんなに強いAlphaGoがこんなに攻めてくるのだから意味があるのだろう。
ここで受けたらすごい技が飛んでくるかもしれない』
と警戒しすぎてしまったんだ。
だから第2局では5図のように捨てて負けてしまった。
第1局では普通の布石から外れれば悪手を打ってくれるだろうと黒7と変化して一気に乱戦に持ち込まれて悪くなった。
ある麻雀漫画に「恐れるな、ただし侮るな。
その両方がミスを生む」
って名言がある。
人間にある心がミスを呼び、敗北を招いてしまったのかもしれない。
この記事を書いた人
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このサイトの囲碁担当。
読みの速さと筋の良さは名人クラス。
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タグ:アンチコンピューター囲碁協会, 李世ドル
これを水平線効果と言っちゃうと、あらゆる手が水平線効果ということになってしまう。
コメントありがとうございます。
囲碁の対局での「水平線効果」とは「1、普通に応対していたのでは都合の悪い真実が迫っている状態」で「2、手数稼ぎする」という2つの条件を満たした手と言うとわかりやすいと思います。
第2局での右下隅ノゾキと第4局のシマリを破りにいった手にはそのような雰囲気が感じられたので記事にしました。
通りすがりさんはどのようにお考えですか?