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囲碁AIにおける水平線効果とは?

囲碁担当B:

李セドル九段が一気に盛り返しました。
これには人工知能(AI)が共通して持っている水平線効果が大きくかかわっています。
アンチコンピュータ囲碁協会会長が水平線効果について説明してくれます。

アンチコンピュータ囲碁協会会長:

 まず水平線効果をウィキで調べてみましょう。

水平線効果(すいへいせんこうか)は探索アルゴリズムの深度を有限とした場合、それ以降の経路をあたかも水平線の向こうのように考慮しないため、長期的に見て問題のある選択をしてしまう人工知能における問題である。

と書いてあります。
これだけでは意味が分からないので具体例をあげて説明します。
とりあえず1図を見てください。

suiheisen3
↑1図

白1のワリコミが鬼手で白は息を吹き返しました。
白5の切りがピッタリで黒は受けがありません。

suiheisen2
↑2図

もし2図、黒1のように抜くと…
白8までとタネ石の黒二子を取れます。

suiheisen2
↑3図

3図のようにアテるとコウになってしまいます。
AlphaGoは悩みました。
でも2図と3図は見合いなので同時に防ぐことはできません。

困ったAlphaGoは

suiheisen4
↑4図

2図と3図を回避することはできませんが、読みの外へ追いやろうとします。
人間の眼から見ると4図、黒1から7は意味がなく、損な手に見えます。

しかしAlphaGoには2図と3図を読みの外に追いやるという意図があります。
AlphaGoは読みは深いのですが、有限なことには変わりません。
ここではわかりやすく、AlphaGoの読みが10手までとして説明します。

suiheisen5
↑5図

suiheisen5
↑6図

5図と6図を見比べてください。

まだタネ石を取られることが確定していないので5図の方がいいように見えませんか?
「AlphaGoは5図はまだ戦える。6図はタネ石取られているから終わりだ」と評価しています。
このように不都合なことをなんとか後回しにしようというのが水平線効果です。

AlphaGoは自分が非勢だと思っているのでこのような水平線効果を連続するでしょう。
相手は受けさせて手数を稼ぐのですが、損な手や味消しを連発します。
第4局は李セドル九段の勝利間違いなしです。(16時35分現在)

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